会話にかんして論じてみようとおもったが、途中から完全に自分の勉強ノートになってしまいました。


自分と自閉症児の付き合いは最重度からはじまったせいか、「会話」というものを最近まで突き詰めて
考えたことがありませんでした
しかし訓練のなかで言語があるレベルの子供達と接するうちに、「コミュニケーションとはなんぞや」「会話とはなんぞや」
「概念とはなんぞや」と考えるようになり、最近ではこの事ばかり考えてます。
まだ考えがまとまってるとは言いがたいですが、ブログを勉強ノートがわりにして自分の思惟を書き散らしてみようかと思います。

 コミュニケーションの初期段階


1 自閉症児のなかでも社会性がかなり低い段階。
 コミュニケーションを取る動機は、自分の欲望を叶えるためであり、その点では赤ちゃんとかわらないが、
健常児の赤ちゃんと違って、「人を意識」する力が弱いため、赤ちゃんよりもさらにコミュニケーション能力が弱い。
この時期のコミュニケーションは、簡単な要求語、指さし、クレーン現象など他者を道具のように使う一方的なコミュニケーション
を多様する。
また感覚過敏や体幹の弱い子などは、外的な刺激にたいして臆病なタイプの子供は「母親」など身近にいる信頼できる人間に常に
しがみつくなどの極端な愛着行動(正確に言えば、母親を盾のようにつかうので愛着という言葉は相応しくないのかもしれない。ただこのタイプの自閉症児は母親と密着するため、ほかの自閉症児にくらべてコミュニケーション能力が発達する傾向がある)

高機能系自閉症児もその子の特性や性格にもよるが、三歳あたりまでは社会性の能力がかなり低い。
子供によっては「母親」にすら興味を示さない子がいる。
この極端な社会性の低さは、言語や知性にも影響をあたえてしまうため、極端に社会性が低いタイプの高機能自閉症児は言語が大幅に
遅れが出てしまう。また社会性も乏しく自閉症特有の行動もとるため、高IQの高機能自閉症児であっても、重度自閉症と見られることが
多い。こういった極端に社会性が低いタイプの高機能自閉症児は訓練しなくても、四、五歳あたりで自然と人に興味をもちはじめて言語がでてくることが多い。(初期の言語はテレビやアニメ、CMのエコラリアとして出てくることが多い。これは自閉症児が人ではなく、物やアニメなど映像にたいして強い興味をもっていることを示してる。こういった自閉症特有の映像への極端な興味を忌む療育家、また親も多い。かつて自分もその傾向があったが、今は「映像にたいする強い興味を制限の愚策であり、映像を使って「強化子にたいする自制心」「強化子をめぐる対立を利用したコミュニケーション訓練」をしたほうが利点が多い。
また療育者や自閉症児を持つ親はテレビやネットがあたえる映像記憶よりも、強い興味をもたれる存在になることが理想である。映像を制限するのではなく、人とのふれ合いを意識的に学習させるべき)
療育によって自閉症が治ったと表現されるのは、このタイプの自閉症児であると推測される。

この時期の子供にたいするアプローチ
机上訓練をつうじて、基本的な学習姿勢を確率する。
またセラピストは動作模倣、マッチングなどの訓練の学習スピードなど
を通じて、その自閉症児の知的能力、運動能力、子供の性向、自閉症の特性の出方、強化子、などを把握していく。
子供の能力を把握するときに重要なのは、できない原因を「知的能力」にもとめすぎないこと。自閉症児の認知能力はこどもによりばらつきがあり、人の表情が読めない子もいれば、2dなどの絵や立体視が弱い子、視覚優位にもかかわらず視覚認知が弱い子など、様々なタイプの子供がいる。
訓練や成長の障害になるであろう、自閉症児の弱点

1 社会性の低さ、健常児なら普通に備わっている人にたいする興味が薄いため、褒める、怒るなどの社会性をつかった強化子が使えない。
また癇癪などもおこしやすく、学習姿勢を築くのが非常に難しい。

2 体幹の弱さ 体幹が弱いタイプの子は椅子に座ることが苦手であることが多い。そのため机上訓練に拒否をしめすことがある。

3 指の分化のおくれ 指の分化が極端に遅れてる子だと、マッチングのカードがめくれない。カードがうまく持てないことがある。

4 腕が上がらない。腕を上にあげることを苦手とするタイプの子は、動作模倣などをしたがらないことが多い。認知の遅れと誤認しやすいので注意すること。

5 視覚認知のおくれ。2Dの認知が弱い、表情の認知がよわい、立体視が弱い、動きを認知することが弱い、など視覚の遅れといっても様々なタイプが存在する。しかも厄介なことにこういった遅れを医学的な診断や発達検査で把握することが、現時点での技術ではほぼ不可能。

6 聴覚認知のおくれ 音が聞こえないのではなく、何らかの原因で言葉として認識できてない。
この聴覚認知のおくれは、視覚認知以上に把握することが困難である。
聴力テストでは異常がなく、言語指示が通らないのは自閉症特有の社会性の遅れと誤認されがちである。
しかも現状、療育家などの現場レベルの経験知的な推測で「たぶん聴覚認知が弱い」という推測程度しかくだせないのが現状である。
聴覚認知が弱いタイプの子は2Dなどのマッチングが得意、音声指示は通らないが、音声指示に視覚的なプロンプトを加えてあげると反応する。
たとえば「ばんざい」と言語だけの指示は通らないが、「ばんざい」と言いながらセラピストが手をあげてあげると、「音声+バンザイ」というプロンプトが加わったため、子供が指示に従うことができる。

7 想像力のおくれ、これもまた非常にわかりづらい特性だが、自閉症の子は未来を予測して行動することが苦手であり、「勉強するよ」と言っても、いつまで勉強するのかわからないため、癇癪や恐怖を覚える子がいる。
 「三回お勉強したら休憩」など数による見通しをつける。「○○したら終わり」など見通しをつけてあげる。

8 口形のおくれ 言葉が喋れないタイプの自閉症児は、まっさきに口形のおくれを疑うべきである。
口形のおくれはおもに「う」「え」「い」などに出やすい。また子供が口にする喃語も注意を払うこと。

9 テンションの異常 脳的な問題のせいか、自閉症児のなかにはテンションがおかしな子がおおい。
この手のタイプは他者のちょっとした行動や感覚刺激などに過剰に反応して「ケラケラ」笑うなどの妙なテンション
になることが多い。
感覚刺激などにたいする過剰な反応は自閉症児によくみられる行動であるが、酷い子は問題行動に発展することが多い。 

10 感覚過敏 感覚の鈍磨、過敏は自閉症児にはよくみられる特性である。留意することは大切だが、過敏があるからとって
過敏な感覚刺激をさけると大抵の場合ひどくなることが多いので、ある程度なれさせる必要はある。
最低限、癇癪を起こす前にセラピストなどに「やだ」と冷静に伝えられるレベル。
またはラポートのついた人間が側にいる場合ある程度我慢できる程度までにはならす必要はある。
鈍麻の場合は感覚入力をもとめて、常道行動をおこしやすいので、人為的な手段で強い刺激を与えてあげる。
またはその特性をうまくつかって、強化子にするのも検討してもいいかもしれない。

初動期の接し方

日常において好ましい行動はさりげなく強化する。
たとえば無発語児などはたとえ喃語や奇声であっても強化すべき。(初動の声出しはフリーオペラントで出す方が望ましい)
また褒め言葉や笑顔などは、認知の弱い自閉症児にも通じるように常に大げさに反応すべきである。
学習姿勢をガチガチに堅めすぎない。子供が机上訓練を飽きて椅子から降りようとしたり、強化子に手を伸ばしたり、拒否の言葉を連呼したり
といった行動を弱化子や無視などのABA的な手法で制限しすぎない。
課題の拒否もコミュニケーションの重要な形態であり、他者とのコミュニケーションの自発性が低い自閉症児にとっては貴重な自発的な意思表示でもある。
のちに拒否の意思表示は交渉につなげていくようにしていく。訓練当初は「数のカウントによる制御」「○○したら休憩しようか」などの指示の制御程度で対処しておく。

強化子の交換を日常や訓練の場で意識的に行う。
強化子の交換とは、寝ている先生をおこす。子供がおこしたら、大げさに反応して身体的な接触を伴う強化子をあたえる。
子供の好きなおかしを、先生がねだる。子供がくれたら、大げさに反応して身体的な接触を伴う強化子をあたえる。
先生のおでこをいい子いい子させて、子供がおでこをなでたら大げさに反応して身体せきな接触を伴う強化子をあたえる。
自閉症児の感情面や情緒面、またコミュニケーションの自発性を伸ばすには非常に重要な訓練であるが、軽視されがちである。
ABA的な接し方で心がけなければいけないのは、親やセラピストの利害だけで考えるのではなく、子供の利害を考えなければいけない。。
セラピストは親と社会、そして自閉症児との間の利害を調整する調整者であるべきである。
セラピストは療育にたいするジャネラリストを目指すべきであり、子供の特性によってはABA以外の療育も積極的にすすめるべきである。
(体幹をきたえるための運動療育、日常動作を訓練する作業療法、指先の分化などが期待できる音楽療法、理学療法、など)
ABA以外の療育を効果的にうけるには、ABAセラピストによる地ならしが必要であり、ビジネスという観点ではほかの療育をすすめるのはマイナスであるが、子供の発達にはほかの療育家の協力が不可欠である。
セラピストは子供の将来を最優先で考えるべきである。
「なぜ複数の療育が必要なのか?」
自閉症の出方が子供によって違うため、「これだけやっていればOK」的な自閉症療育は本来存在しないはずであるが、
療育業界は己の療育のドグマを正当化するためにほかの療育にたいして否定的なことが多い。
たとえばRDIなどは親と子の接し方を改善することで、コミュニケーション能力の改善をはかっていくというのは、自分の経験知的にも非常に効果が高い手法であると思われるが、だからといって口形が弱い子どもがしゃべれるようになったりはしない。
高機能や軽度の子は接し方の改善が重要であり、それだけかなり伸びる子もいるが、それはABAとの併用も十分可能である。
またABA側もほかの療育を否定しないようにすべきである。

子供の弱点を鍛えていくことも重要であるが、伸ばせる能力があるのなら、それを伸ばしていくことを優先すべき。
たとえば聴覚認知がよわく、視覚認知が強い子は、まず視覚認知能力や対人コミュニケーション能力を伸ばしていくべきである。
ほかの能力がのびることで、弱点とされる能力も伸びていく可能性がある。
ただし弱点を伸ばしていく訓練も同時にやっていくべきである。(この辺の判断は非常にむずかしい)
机上訓練よりもPRTなどのほうが伸びがいい場合がある。とくに軽度、高機能の子は単純な机上訓練よりも、PRT的な接し方のほうが伸びる。

般化の訓練は、日常で機会を作ることが非常に重要である。机上訓練である程度基礎を作ったら、日常生活で般化訓練を重視すべきである。
机上で基礎、、セラピストが子供の特性と日常を観察して般化訓練のモデルケースを作る。モデルケースを作ったらロール訓練を行い、
最終的には親が日常で子供に般化訓練できるよう、母子ともに教化していく。

 書いてるウチに完全におれの勉強ノートになってしまいました。
肝心の言葉やコミュニケーション能力の勉強までたどりつきませんでしたが、療育にたいする自分のスタンスを
知るにいいかなとおもい、そのまま載っけてみることにしました。
推論部分もおおいですが、自閉症児の能力を正確に計る診断、テストが確立されていないので、ある程度推論になって
しまうのは勘弁してください。(ABAはよく科学的な手法だと宣伝してますが、自閉症児の能力を正確に計る手段がない以上、どう頑張っても療育の効果を科学的かつ客観的に図るのは
不可能である。これはABA以外のほかの療育にも言える。親御さんはともかく療育家はこの点にかんしてシビアであるべきなのだが、大抵の場合はスルーされることが多い。)

この記事へのコメント

  • ひろ

    我が子がまさに6の聴覚認知に問題があるタイプだと思います。まだ発語は3語文程度で、口頭の質問や指示はほとんど理解できないし何度いっても覚えられないのに、答えるべき内容を文字に紙に書いて見せると20文字程度の一文なら数秒でおぼえて、その後はプロンプトとしてその紙を1秒みせただけでも答えてくれます。そうやって丸暗記したとしても、日常生活では往復の会話はまったくできません。
    聴覚認知に問題ありの場合の訓練方法はあるでしょうか?
    2020年01月19日 02:02